2015年12月20日

2015年12月12日(原稿は12月11日)、日印両首脳は、2010年より交渉を続けてきた二国間原子力協力協定に「原則合意」したことを「共同声明」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000117783.pdf) の中で発表した。核兵器と戦争の廃絶を目指す日本パグウォッシュ会議の有志は日本政府に対し、今後の交渉において核軍縮・不拡散の課題をめぐる妥協があってはならないと強く訴える。

そもそも原子力供給者グループ(NSG)がインドをいわば「例外扱い」した結果、これまでに米国をはじめ、ロシア・仏・オーストラリア等がインドと二国間協定を結んでいるが、これ自体が世界の核軍縮・不拡散規範に違反するものである。

被爆国日本が協定を締結するのであれば、他国の協定より厳しい条件を要求することが求められる。具体的には、(1)安倍首相が明言した「インドが核実験を行った場合に協定を破棄する」という条件の明文化が不可欠、(2)日本政府が他の核不拡散条約(NPT)加盟国に要求している条件と少なくとも同等以上の「軍事利用転用阻止への担保」(3)特に「再処理・濃縮」の技術移転禁止やインド国内における「再処理・濃縮」の原則禁止、(4)包括的核実験禁止条
約(CTBT)の批准や兵器用核物質生産禁止条約(FMCT)交渉への積極的参加等、核軍縮分野における要求、などが考えられる。また今回の共同声明をめぐっては、インドへの原子炉輸出に伴う多様なリスクに加え、武器輸出や軍事協力の方針も明記されているなど、地域の軍事的緊張激化を引き起こす地政学的リスクも懸念される。商業上の利益を優先するあまり、核軍縮・不拡散分野での妥協をもたらすことは、日本がこれまで積み上げてきた核軍縮外交や不拡散努力への信頼性を失墜させ、また核兵器の廃絶を希求する被爆者や日本国民の期待を大きく裏切るものである。今回の「原則合意」が以上のような懸念につながらないことを強く要求するものである。

 

2015年12月21日現在、12名が賛同。

板垣雄三、稲垣知宏、梅林宏道、黒崎輝、栗田禎子、小沼通二、小林陽子、沢田昭二、杉山真弓、

鈴木達治郎、高原孝生、広渡清吾、山崎正勝、

日印原子力協定交渉に関するパグウォッシュ有志声明
「核軍縮・不拡散への取り組みに妥協があってはならない」

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