中距離核戦力(INF)全廃条約破棄に関する見解

日本パグウォッシュ会議

2019年2月11日 

 

 2019年2月2日、米トランプ政権は中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を正式にロシアに通告し、ロシア側も同様の措置をとることを宣言したため、INF全廃条約は事実上破棄されるに至った。日本パグウォッシュ会議は既に昨年11月に本件に関する見解を発しているが、今回の事態に際して改めて遺憾の意を表し、両国の決定を強く批判する。
 冷戦期の世界における核軍縮運動の重要な成果だったINF全廃条約の破棄は、現在の世界における新たな潮流である「核兵器禁止条約」を求める動きと真っ向から対立するばかりか、核兵器保有国に核軍縮のため「誠実に交渉する」義務を負わせたNPT(核不拡散条約)にも違反する暴挙である。
 米国のINF全廃条約離脱に伴い、開発中のSLCM(海上発射型核巡航ミサイル)等、日本への「核持ち込み」の動きが強まるおそれが指摘されている。また米政権は離脱の口実として同条約に参加していない中国等による核軍拡を挙げており、今後米中間での軍拡競争が昂進する危険がある。
 このような深刻な事態に鑑み、今こそ核兵器廃絶への努力を世界中で強めていかなくてはならない。とりわけアジアにおいては、朝鮮半島の非核化と北東アジア非核兵器地帯の設立に加え、米ロに中国、印パを加えた新たな枠組みをも視野に入れた核軍縮の構想が求められる。日本政府には、北東アジアへの新INF配備を断固拒否することはもとより、軍縮への転換のため積極的・主導的な役割を果たすことを、強く望むものである。

 

                       日本パグウォッシュ会議

代表 鈴木達治郎

副代表 栗田禎子

副代表 高原孝生

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